コンピュータ・サイエンスから生まれる新しい基礎科学

現在のコンピュータの進展には驚くべきものがあります. 人間の作り出すもの(人工物)のほとんどすべてが, コンピュータの仮想空間上に実現できると言っても言いすぎではないでしょう. そうなってくると, この仮想空間を操作したり分析したりするための科学 --- コンピュータ・サイエンス(CS) --- は, 単にコンピュータの利用技術のための科学だけではなく, 様々な学問の基礎科学になっていくのではないでしょうか.

つまり, 従来の基礎科学の数学と物理に加えて,


コンピュータ・サイエンスから21世紀の基礎科学が生まれる


という予想です.

この予想について, それを言い出した 計算機科学者(CS者)の渡辺治, 数学者の根上生也氏, 工学者の松井知己氏の三者が, Web 上でそれぞれの立場から意見を戦わせる「Web 鼎談」を約1年間かけて行い, そのダイジェスト版を, 1999年4月から2000年3月までの数学セミナーに掲載しました.

ここに紹介するのは, その膨大な「Web 鼎談」を渡辺がまとめたものです. 多少は整理され読みやすくなってはいると思います. 皆さんの時間や興味に合わせて, 鼎談のまとめから鼎談総集編まで, お楽しみ頂ければ幸いです. (このページは資料的な価値があると思い掲載していますが, 2003 年以降,ほとんど更新していません.ご了承ください.)

謝辞: この鼎談は, 数学セミナーの大賀雅美さんのご援助のもと実現できました. 大賀さんにはまた, 毎月の膨大な鼎談を数セミの記事に非常にうまくまとめ頂きました. 深く感謝いたします. また, 鼎談のための掲示板の管理をして下さった山本光さん(横浜国大) にも深く感謝します.

お断り: ここにまとめたものは, 渡辺が個人的に作成したものです. とくに, 鼎談総集編やキーフレーズは, 元の鼎談に対して, 渡辺が個人の判断で加筆・編集を行ったものです. したがって, 各人の発言のように見える部分についても文責は渡辺にあります.


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